私はよく家事をする時にオーディオブックを聴きます。音楽を聴くよりもオーディオブックを聴くことが多いくらいです。いつかギターで朗読などの伴奏をしてみたいです。
そのことを考えていて思い出したことがあります。14年前に1年ほどニューヨークに短期留学をしていて、私は公園で友人とギターを弾いていました。マンハッタン音楽院に入学するよりも昔のことで、専門知識の殆どないながらいつも楽しくギターを弾いていました。その公園は様々なストリートミュージシャンが現れる事で有名な場所で、ギター好きな友人に連れられて行きました。
しばらく弾いていると、大柄なアメリカ人らしき男性が近づいて来ました。少し驚き、手を止めたのですが、その後言われたことにはもっと驚きました。その人は自作の詩を朗読するから私に何か弾いて伴奏するように求めたのです。
私はその人が朗読するのに合わせて一曲弾きました。マイヤーズのカヴァティーナだった気がします。その人は例を言って去って行きました。どんな詩だったか忘れてしまいましたが、たしか愛についての詩だったと思います。今思えばこんなことはその後の留学生活で一度もありませんでした。
植木