志賀直哉の「流行感冒」という小説を読みました。1919年に書かれたもので当時流行したスペイン風邪が題材になっています。主人公には2歳くらいの娘がいて、非常に神経質に生活している様子が描かれています。103年前にも今と同じようなことがあったのですね。
私の祖父は103歳なのでスペイン風邪のパンデミックの中で生まれたんだと気がつきました。小説の中の子供とだいたい同世代です。
この小説の夫婦は2人も女中を雇っていて、その中の1人がこっそり芝居を見に行った事でトラブルが生じます。一時的に女中2人が帰って来なくなり、妻が子供を背負ってあくせくと家事をする場面が印象的でした。昔の人はお手伝いさんを2人も雇って随分と楽をしていたんだなと思いましたが、よく考えたら洗濯機も食洗機も無い時代でした。