点字を触読する際にうまく読み取れない文字に当たることがあります。そういう時は前後の文字を触ってからまた問題の文字に戻ると上手く読み取れることがあります。
他の文字の形と比較することで分からなかった文字が分かるということです。これは様々なことに当てはまりそうです。
そもそもあらゆる認識は比較によって生まれているのではと思えてきます。昔の日本人が初めてオペラ的な歌唱に接した際に鶏が金切り声を上げているみたいだと思ったという話を聞いたことがあります。今の日本人でそう思う人はいないと思います。当時の日本人の歌と西洋のオペラが違いすぎて鶏の鳴き声の方が比較対象として近かったのかもしれませんね。
歌い方ではなくオペラそのものの形式については、西洋歌舞伎と表現されることがあったようです。馴染み深い歌舞伎と比較することでオペラというものを解釈したのだと思います。
このように私達は日常的に比較することであらゆるものを認識しているのではないでしょうか。
今日はこんなことをぼんやりと考えていました。
植木