植木フルート&クラシックギター教室の日記

植木フルート&クラシックギター教室は新潟市中央区の閑静な住宅街に佇む音楽教室です。このブログではフルートやクラシックギターを新しく始めたい、あるいはすでにやっている方向けの情報や当教室の講師の日常の一場面を綴っていきます。よろしくお願いします。

録音に合わせて練習⑵

 昨日と同じテーマですが、面白いトピックだと思ったのでもう少し考えてみます。

 昨日はCDなどの録音を模倣して、それに合わせて弾く練習が有効という話をしましたが、これは録音技術が生まれて、ようやく可能になった練習方法です。

 私の教室で取り上げることの多いバロック、古典派、ロマン派などの時代にはまだ録音は存在しませんでした。いつ録音技術が生まれたか調べてませんが、おそらく19世紀の後半でしょう。  

そういえばシャーロック・ホームズの短編でホームズが自身のヴァイオリン演奏の録音を使って、敵を騙す話がありました。新しい技術として描かれていたので、録音が生まれたのはやはりその頃だと思います。

 話が少しそれてしまいましたが、録音の無い時代の音楽愛好家は録音を真似することはできませんでした。

 代わりにどうしていたかというと、おそらく先生の生の演奏を真似ていたのだと思います。週に1度(おそらく)のレッスンの記憶を頼りに楽譜を読み解いていたことでしょう。

 録音を模倣するのと先生のお手本を模倣するのはどちらが良いのでしょうか? 私は録音には変化が無いことが両者の大きな違いだと思います。例えるなら標本の蝶か生きている蝶の違いです。

 標本だからこそ止まっていて観察しやすいこともありますし、生きた蝶にしかない躍動感もあると思います。

 

植木