村上春樹さんの「羊をめぐる冒険」の中で語り手の「僕」が知人のギタリストについて語る場面があります。「僕」はそのギタリストと自分との違いは皿を洗えるか否かというだけだという趣旨のことを語ります。つまりギタリストは皿を洗う時に指を怪我すると困ったことになるということです。
作中のギタリストはジャズギターを弾くようですので、右手の爪を伸ばしていない可能性があります。おそらく作中に書いてある通りに単に皿洗いで指を怪我をする可能性があるという話なのでしょう。しかしクラシックかギタリストの場合は大体右手の爪を伸ばしているので、爪を割ってしまうリスクがあります。コンサート前に爪を割ると困ったことになります。
現実のクラシックギタリスト達は果たして演奏会を目前に皿を洗っているでしょうか?巨匠アンドレス・セゴビアは洗っていなかっただろうと勝手に想像しています。現代は食洗機があるので爪を割るリスクは少ないかもしれませんね。
植木