「フルートとギターのための6つの歌曲」の3曲目は「漁師の娘」です。
この歌は今までの「おやすみ」と「菩提樹」とは異なり、歌曲集「冬の旅」には収録されていません。
「白鳥の歌」という歌曲集に収録されています。「白鳥の歌」は「冬の旅」と「美しき水車小屋の娘」と並び、シューベルト晩年の三大歌曲集と言われることもあります。
しかし「白鳥の歌」に関しては歌曲集として編んだのはシューベルト本人ではなく、彼の死後に出版社や友人がまとめたようです。3人の詩人の詩が使われていて、それぞれの歌の間に連続性は無いようです。
「漁師の娘」はハインリヒ・ハイネの詩に拠るものです。
「おやすみ」と「菩提樹」に比べ、明るい曲です。歌詞も失恋とは程遠く、むしろ軟派な感じです。
冒頭の歌詞は「きれいな漁師の娘さん」という呼びかけで始まります。
ベームが選んだ6つの歌曲は、暗い雰囲気と明るい雰囲気の歌がバランス良く選ばれているように思います。
音楽は親しみやすいメロディが舟歌風のリズムと合わさっています。曲の最後の方はやはりベームによるフルートらしい華麗な装飾と変装が施されています。
この曲も冒頭だけ演奏を録画してみました🎶
漁師の娘