私は浦久俊彦さんの本が好きで、ここ数年で4冊読みました。最近は、最後に読んだ『ベートーヴェンと日本人』という本を読み返していました。来月はじめのベートーヴェンのコンサートに備えて、勉強しておこうと思ったからです。
読んでいると、鳥肌が立つような内容がありました。日本で初めて演奏されたベートーヴェンについて書かれた章を読んでいたときのことです。詳細はぜひ本を読んでいただきたいのですが、ざっくり言うと、日本で初めて公開の場で演奏されたベートーヴェンの曲は、「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス ヘ長調 Op.50」で、それは1885年のことでした。フランス人のヴァイオリニストによる演奏だったそうです。
来月のコンサートでは、この曲のフルートとピアノ編曲バージョンが演奏されます。変奏曲ばかりのプログラムの中で、唯一の非変奏曲です。たまたまフルートとピアノで演奏できるベートーヴェン作品として選んだ曲が、まさか日本で初めて演奏されたベートーヴェン作品だったとは、たまたま読んでいて驚きました。