リラ・ギターの動画を観て頂いた方に「ビルマの竪琴」を思い出したと言われました。学生時代に一度授業で読んだのですが、内容が思い出せなかったので読み返してみました。
ちょっと現代の感覚では引っかかる言葉や児童文学としては残酷すぎるように思える場面がありましたが、とても感動する場面も多数ありました。
特に戦争が終わり、戦場で主役の日本兵達とイギリス兵が共に歌う場面が印象的でした。
現実には無かったと思いますが、そんなことがあったら良かったのにと思いました。
あとがきに書いてあったのですが、この物語は著者の完全な空想によるものなので、細部を検証すると事実ではないことが沢山あるようです。
例えば重要な登場人物が人食いの首狩り族に食べられてしまいそうになるのですが、当時のビルマにそのような人種はいなかったようです。(ちなみにこれは大学時代の講義で知りました。このことだけ何故か覚えてました)
それから歌う部隊の隊員達は戦地で竪琴やギターをはじめ様々な楽器を手作りするのですが、これも現実的に可能なのかと疑問に思います。
しかしこのようなリアリズムの観点から物語を批評する事は私の悪い癖です。
細部のリアルさにこだわりすぎると物語の人を惹きつける力が薄れてしまうということがあると思います。
これをを音楽に当てはめると、メトロノーム片手にCDを聴くみたいなことかもしれません。
せっかく演奏者が味を出そうと和音や旋律に合わせて間を取ったりしているのに、この箇所はメトロノーム通りじゃない!と細かく指摘するような無粋さです。
リアルかどうかという観点は古典を読んだり聴く際には特に控えた方が良いのかもしれないと思いました。
植木