余計な雑念が消え、普段より自在にに体が動き、最高のパフォーマンスを発揮する状態を「ゾーンに入る」と言うようです。
ゾーンはフロー、無我の境地、忘我状態などとも呼ばれます。
スポーツや芸術、あらゆる専門技能の保持者に起こり得る精神状態のようです。
私もギターの練習中にゾーンに入れたことが何度かあります。
その中でも、より深く入り込めたことが2度あります。1度目はマンハッタン音楽院の入学試験の為に練習していた時です。2度目は留学中に自宅で練習している時でした。
指が面白いほど滑らかに動き、出したい音が自在に出せているような感覚でした。1度目の時は初見演奏の能力も異様に上がっていて「アストリアス」を初見でかなり正確弾けました。
今考えても不思議な状態です。アストリアスは簡単な曲ではありません。
その感覚を絶対に忘れるものか!と思ったのですが、一晩経つと、その出来事が夢だったかのように元に戻ってしまいました。
アストリアスの部分は嘘みたいですが、本当に起こったことだと思います。(記憶が勝手に捏造されていないか少し心配です💦)
両方の体験で共通しているのは、長い時間練習した後だったこと、夜中だったこと、鏡を見ながら練習していたこと等があります。
今は体を痛めないように、自分をセーブして練習し、休憩を挟むことを重視していますが、当時は何も考えず、がむしゃらに長時間練習していました。ゾーンに入るにはその方が良いのかもしれないですね。
夜中だったことは、私にその出来事が錯覚だったのではないかと疑念を抱かせます。
鏡を使っていたことは、自己催眠が関係あるのではと思わせる要素です。
ゾーンに入れた正確な理由は分かりませんが、あの自在に楽器を扱える感覚は忘れられません。
当時はしばらくゾーンに入りたいと思いながら過ごしていましたが、ゾーンに入ることを目的に練習していては多分入れないでしょうし、ただの錯覚の可能性もあると思い、そのことにこだわるのはやめました。
しかし繰り返すようですが、不思議で忘れられない体験でした。
植木