作曲家の吉松隆さんの「クラシック音楽はミステリーである」という本を読みました。
吉松さんの作品は聴いたことがあったのですが、著書もたくさんあることをはじめて知りました。まだ上記の著作しか拝読していないのですが、とても読ませる面白い文章でした。
クラシック音楽の譜面の中に隠された暗号やオペラの謎を吉松さんが探偵のように推理しています。本の最初の方の大作曲家達が作品に隠した暗号について書いた箇所を読んでいる時、19世紀のギター作曲家達もそんな試みをしていたのだろうかと疑問に思いました。
それを確認するためには時間をかけてたくさん曲を分析して、その作曲家の細かい伝記的事実(例えば恋人の名前なと)を知らないといけないのだろうなと思います。そのような作業は私にはちょっと無理かもしれないです💦
吉松さんの本に戻りますが、ショスタコーヴィッチの第10交響曲の暗号について、モーツァルトのドン・ジョバンニ の謎について、そしてプッチーニのトゥーランドットの謎についてなど本当に興味深い内容でした。(あと作曲家達を犯罪捜査的にプロファイリングした章も!)
'以前にも書きましたが私はモーツァルトの「ドン・ジョバンニ 」がとても好きなので、その章を特に楽しく読みました。
そのオペラに描かれた4つの事件をミステリーと捉えて推理、そしてそれにより導かれた物語の新たな解釈に驚かされました。
オペラの登場人物に事件の証言をさせたり、有名探偵をもじったキャラクター達に推理させたりなど、思わず笑ってしまう箇所も多々ありました。読み手を飽きさせない文章の構成力も作曲家ならではなのかもしれないですね。
植木